九州 野菜 宅配

近所の爺の話

九州野菜宅配

家の近所によくわからない爺さんがいる。
七十はとうに超えているであろう爺だが
いたって元気だ。

 

爺はアル中ではないが
毎晩、酔う程に、よく酒を飲む。

 

タバコも2箱ぐらいは吸っているという。

 

ずいぶんと夜更かししているというのに
朝は早いから、
おそらく睡眠時間は4〜5時間くらいなんだろう。

 

かなりのメタボで、どうみても健康体とは思えない。

 

それでも、この六,七年は病院に行っていないそうだ。

 

きっと医者にかかると何か病名をつけられるのが怖いからに違いない。

 

日課といえば、
歩いて二十分程先のタバコ屋に朝1箱、夕方1箱
買いに行くぐらいだ。

 

なるほど、歩くことをあえて意識しての健康法だと思いきや
二、三分近くのタバコ屋とケンカしたから行かない、
というだけのことらしい。

 

ちなみにタバコは無農薬がウリの銘柄だが
そんなもの健康の基準にはならないだろうし、
本人もそれが無農薬などとわからないで吸っている。

 

とにかく健康上、いいことはあまり見当たらない。

 

ところで、
この爺は親戚が多いのかどうか
客足は絶えない。
宅配の青年もよく見かける。

 

ある夜、
小生も呼ばれて一緒したことがあったが
どうも博学とみえて、
難しい本が山のように並んでいる。

 

爺は週1〜3回は必ず食べているという、
「あぶらぞうめん」なるものをご馳走してくれた。

 

ニラ・玉ネギなどの野菜と、ウコンをそうめんと炒めたものだ。

 

意外と美味しい。

 

もしかして、
この「あぶらぞうめん」がこの爺の元気の源になっているのかもしれない。

 

何か教えてもらいたい思いで客が訪ねているのかと思いきや
当の爺はくだらないギャグを連発して自分で笑って満足している。

 

いつも明朗遺伝子がスイッチオンになっている感じである。

 

市井はインフルエンザが流行して、ほとんどの人がマスクをしているというのに
当の本人は小雨に濡れて無用心に歩いている。

 

ひょっとしてこの爺は馬鹿かもしれない。

 

そのうち、くたばるような気がする。